【人生100年時代到来】変化する働き方とキャリア戦略におけるポイント4つ

キャリア全般

「一体何歳まで働けばいいんだろう・・」

と漠然とした不安を感じていませんか?

もともと長寿の日本人ですが、医療が発達する中で、寿命もどんどん長くなってきました。寿命が延びるということは、必然的に働く期間も長くなります。

2019年の平均寿命は女性が87.45歳、男性が81.41歳と過去最高を記録しています。現在35歳の場合、現実的に考えると後35年程働く必要が出てきます。今40歳なら75歳ですね・・

でも、実際に35年先までのキャリアについて考えたことってありますか?

「考えたことがない」「怖くて考えたくない」

と言う方が多いんじゃないでしょうか。

今回は「人生100年時代」となった今、これからのキャリア戦略において重要なポイント4つに関して書いてみました!

人生100年時代の「働き方」で大きく変化すること

まずは、「働く」の概念がどんどん変化する中で、今後私たちのキャリアに大きく影響を与えるであろう変化に関してお話しをします。

ひとつの組織にコミットして働くことが一般的ではなくなる

今までは、一つの組織にコミットして働くことが一般的でした。しかしトヨタ、サントリー、パナソニックなどの大手の企業ですら、終身雇用はもうできないと「事実上のギブアップ」を明言する中で、多くの企業が副業推進を始めています。

大企業ですら、今後大量の社員を養っていくことができない世の中で、私たち自身もそのことを受け止め、柔軟に対応していく必要があります。

正社員として勤めながらも、副業でとして別の組織や個人から仕事を受けるという働き方や、そもそも本業を複数持つというパラレルワークという働き方が、より一般的になっていくと想定されます。

副業と複業の違いって?

副業=本業以外にサブの仕事を持つ働き方のこと

複業=メインサブという概念を持たず、複数の仕事を持つ働き方のこと

働く時間と場所の制約がなくなる

テクノロジーの発展と共にリモートワーク自体は可能でしたが、なかなか浸透しませんでした。しかし、ついにコロナが引き金となり、リモートワークをせざるを得ない状況になったのです。

コロナ渦が終わった後も、リモートで仕事が可能な職種は100%出社に戻ることはないでしょう。

現在はまだ、リモートワーク可能といいつつ、東京在住が採用必須条件な企業が大半。しかし、今後基本的に出社が必要なくなる中で、住む場所の制約は徐々になくなっていくと予想されます。沖縄に住んで東京本社勤務、2ヶ月に一回出張という働き方もいづれは可能に(というかすでにやっている人もいますよね~)。

また、場所だけではなく何時間働くかという概念も徐々に薄れていくと予想されます。現在欧米型の完全成果主義の導入を始めている企業も多く、「何時間働くか」よりも「どれだけの成果を出せているか」が重要になりつつあります。

今までは、長時間働けばある程度評価される謎の風習があったので、これは日本人にとってはけっこう怖いですよね・・

定年退職という概念ががなくなる

冒頭でもお話ししましたが、寿命が延びるという事は、必然的に働かなくてはいけない期間も長くなります。少し前までは60歳で定年退職をして、老後の生活を送るというのが一般的でした。

しかし、寿命が延び続ける中、60歳と言ってもそこから30~40年近い人生が残されています。人生が残り30年近くあると思うと、仕事を辞めるという考えにいたるでしょうか。ほとんどの人が働き続けて、継続的に収入を得ることを選ぶはずです。

今後は定年退職という概念が消え、健康な限りは働きづづけるということが一般的になります。

人生100年時代のキャリアにおいておさえるべき重要なポイント4つ

上記でお話ししたように、働き方が今後大きく変化していく中で、キャリアにおいて外せない重要なポイントに4つに関してお話をします。

① ポータブル(=持ち出し可能な)スキルを磨いてどんな組織や環境でも重宝される人材になる

ポータブルスキルとは、「業種や職種が変わっても通用する、持ち出し可能な能力」と定義されていて、厚生労働省にも提唱されています。特定の仕事や職種に必要な専門性とは異なり、どんな仕事や環境でも必要&大切なスキルです。

ポータブルスキルは主に下記の2つで構成されています。

  1. 仕事のし方
  2. 人との関り方

それぞれ下記の様に、さらに細かいスキルへ分類されています。

出典元:ポータブルスキル”活用研修 講義者用テキスト

専門性にプラスして、課題発見・計画立案・実行スキルが高い人というのは、どんな場面でも重宝されます。また、課題に対して計画を立てて成果を出すためには、社内外の人と円滑にコミュニケーションをとれるスキルも必要です。それが「人との関り方」スキルです。

これらの2つはどんな仕事や組織でも必要なスキルです。専門性とは別で磨いていくことによって、どんな組織や環境においても必要とされる人材になることが可能。

実際に採用面接でも、色々な社内外の利害関係者がからむポジションの場合、専門性よりもポータブルスキルの方を重視して採用をするケースも多いです。また、これらのポータブルスキルは会社員の時だけではなく、独立・起業する場合にも役に立ちます。

専門性だけに囚われずに、社外へ持ち出し可能なスキルを磨くことで、人生100年時代に自分の市場価値を上げていくことが可能です。

② 学び続けることで自分のバージョンアップを行いスキルの陳腐化を防ぐ

みなさんは社会人になってからも常に学ぶ機会に身を置いていますか?

社会人になるとつい目の前の仕事が忙しく、仕事以外の学びに時間を全く費やせないという人もいるかもしれません。

しかし60代以降も働き続けるという時代に、日々目先の仕事だけをこなしているのは非常に危険です。新しい知識やスキルを身に着けて、どんどん自分自身をバージョンアップしていかなければ、誰にでもスキルの陳腐化による市場価値の低下が起こります。

ひと昔前までは、何か一つ専門性を身に着ければ、それを使って生涯活躍できるというキャリアが一般的でした。一方現在は、テクノロジーの発展や環境などの要因により、変化のスピードが速いので、生涯を通して新しいことを学び、専門性を構築していかなければいけません。

もし忙しい、時間がないなどの理由で、興味のあることや将来の為の勉強を後回しにしているのであれば、具体的な行動計画をつくって実行していくことをおすすめします。

新しいことを学べる場所としては、オンラインサロンなど気軽に参加できるものから大学院まで色々なオプションがあります。下記を参考にしてみてください。

  • オンラインサロン/ビジネスコミュニティ
  • セミナー・一般講座
  • 資格講座
  • 大学院・ビジネススクール
オンラインサロンとは、月額会員制のオンラインコミュニティで、メンバーしか参加できないオンラインサロングループ。Facebookの非公開グループといったSNSが使われることが多い。通常は有名人や何らか分野の専門家が、実際に役立つ知識を定期的にコンテンツとして提供してくれる。ノウハウ提供だけではなく、メンバー同士の交流や人脈づくりもできる。

 

③ 自分で仕事のスケジュール、モチベーション、パフォーマンスを管理できる自律性を身につける

①のポータブルスキルの一部でもあるのですが、これからの時代働く上で、自分自身でスケジュール、モチベーション、パフォーマンスなどを管理できる力がとても大切になります。

リモートワークが主流になり、働く場所や時間の制約がなくなっていく中で、雇う側も直接的に監視・管理をしなくても、高いパフォーマンスを出せる人材を必要とします。

例え会社員として働いていても、個人事業主のような意識で、タスクとスケジュール管理を行い、モチベーションをしっかり維持することで、良い業績を継続して出す必要があります。

「なぜ自分はこの仕事をするのか」という目的が明確になっている場合、モチベーションの上下が少なく、明確な目標に向かってスケジュールとタスクの設定もしやすくなります。

目的を明確にするためには、まず自分自身の長期的キャリアプランを描き、ビジョンを明確にすることが大切です。

下記の記事で「長期的キャリアプラン作るメリット」について書いていますので、参考にしてください。

【将来が不安だからこそ計画】長期的キャリアプラン作るメリット3つ

④ 広く浅い人的ネットワークを構築することで新規アイディアや機会を得る

米国の社会学者マーク・グラノヴェッターが発表した社会的ネットワークに関する理論で「弱い紐帯(ちゅうたい)の強み(The Streghth of Weak Ties)」という言葉があります。

新規で価値の高い情報は、家族や友達、同僚などの社会的つながりが強い人達(強い紐帯)よりも、知り合いの知り合いやSNS経由の知り合いなど、社会的つながりが弱い人達(弱い紐帯)からもたらされる可能性が高いという仮説です。

家族、友達や同僚は自分と似た環境で生活し、似た価値観を持っていることが多いため、考え方や情報の入手ルートも似てきます。自分にとって全く新規なアイディアや情報は意外と「弱いつながり」から得ることができるのです。

企業も新規ビジネス開発やイノベーションの推進のため、組織横断的なプロジェクトチームを作ったり、異業種から人材を採用する戦略をとっています。

これからは、「強いつながり」にプラスして「弱いつながり」を広く持つことで、新しいビジネスのアイディアや転職先のような機会に出会ったりする時代です。

自分にとって社会的に近いサークル以外のところでもネットワークを広げて、これからの時代で活躍するための資産をつくりましょう。

私のオススメSNS

普段のネットワークの外で「広く弱いつながり」を構築するのに、私がオススメするSNSはLinkedIn (リンクトインです。ビジネス特化型かつ実名がユーザーがほとんどのSNSなので、異業種の人と横の繋がりを構築するにはとてもお勧めのプラットフォームです。

リンクトインについての詳細は、私がLinkedInと転職について書いた記事をご覧ください。

【全世界ユーザー7億人のビジネスSNS】LinkedInを活用して転職する方法

まとめ

人生100年時代の「働き方」で大きく変化すること:

  • ひとつの組織にコミットして働くことが一般的ではなくなる
  • 働く時間と場所の制約がなくなる
  • 定年退職という概念ががなくなる

人生100年時代のキャリアにおいておさえるべき重要なポイント4つ:

  1. ポータブル(=持ち出し可能な)スキルを磨いてどんな組織や環境でも重宝される人材になる
  2. 学び続けることで自分のバージョンアップを行いスキルの陳腐化を防ぐ
  3. 自分で仕事のスケジュール、モチベーション、パフォーマンスを管理できる自律性を身につける
  4. 広く浅い人的ネットワークを構築することで新規アイディアや機会を得る

 

人生100年時代、変化を受け入れながら、スマートにキャリアをつくっていきましょう!