【将来が不安だからこそ計画】長期的キャリアプラン作るメリット3つ

キャリア全般

「あなたは10年後どんな仕事をしてどんな生活をしていたいですか?」

という質問にすぐに明確に答えることはできますか?

何となくぼやっとしたイメージはあるけど、しっかり考えたことがない方が多いのではないでしょうか。もしくは、変化が速い時代に、10年20年先の計画なんてしても意味がないと思われる人もいるかもしれません。

今回は私のコーチングでもメイントピックにしている、長期的キャリアプランを作るメリットに関してお話しをしていきます!

キャリアプランとは自分の描く理想の将来像を実現するための具体的な行動計画

キャリアの定義は色々ありますが、最近ではキャリア=人生そのものと考え、仕事だけではなく、プライベートも含んだ個人のライフスタイル(生き方)という意味で使われることが多いです。

キャリアプランとは、仕事やプライベートの理想の将来像(キャリアビジョン)を実現するために作成する、具体的な行動計画のことを言います。

キャリアビジョンとはあくまで「将来こうなりたい」という理想像のイメージなので、理想像を可視化して具体的な行動計画に落とし込んだものをキャリアプランと呼びます。

不透明な時代こそ長期的キャリアプランを作ったほうがいい

今は先行きが不透明で、将来の予測が困難な時代だと言われています。テクノロジーの急激な発達やコロナウイルスのような未知の感染症の流行などで、当たり前だったことがいきなり変わってしまうことがあります。

現に、2019年まではオフィスで仕事をすることが当たり前でしたが、コロナショック以降はリモートワークで全てデジタル化をして仕事をしている人が多いと思います。

コロナ前と後では、社会で求められるスキルが大きく変わりました(例:テクノロジーを使いこなせる、直接的な監視下に置かれなくても自律的に仕事に取り組める、オンラインコミュニケーションスキルが高いなど)。

ポストコロナ時代のキャリアに置いて需要なポイントに関してはこちらの記事をご覧ください。
【人生100年時代到来】キャリアにおいて押さえるべき重要ポイント4つ

今後世の中で何が起きるかは私たちには予想が難しく、コントロールすることもできません。しかし計画しても、想定外のことが起こる可能性が高いから、何も計画しない方がいいというわけではないのです。

計画があるからこそやることべきことが明確になり想定外のことにも対応できる

例えば海外旅行に行く時、想定外のことが起こる場会が多いからといって、何も計画をしないでしょうか?

恐らくほとんどの方がちゃんと計画を立てると思います。

計画を立てるからこそ、例え想定外のことが起こったとしても、計画を修正しながら目的地に向かうことができます。

計画を立てることで、目標を達成するために、いつまでにどういう行動をとらなければいけないのか、どういうリスクがあるのか、実現性はどうなのかなどが見えてきます。

普段から戦略的に自分のキャリアを捉えることで、例え想定外のことが起こったとしても、冷静に臨機応変に対応をすることができます。そして長期的に自分の目指すキャリアを実現していくことができるのです。

もし特に何もキャリアプランを立てていない場合、世の中で大きな変化があった時に、どう対応していけばいいかわからず、流されていってしまうことになります。

不透明な時代だからこそキャリア自律をすることが重要 

日本型雇用制度(終身雇用、年功序列、労働組合の制度に成り立つ)が社会全体で大きく見直されている今、働く個人が自分のキャリアに関心を持ち、自らキャリア形成に積極的に取り組む「キャリア自律」(他からの支配を受けず、自分の意志やルールのもとに、行動をコントロールすること)が注目されています。

終身雇用の象徴的存在であったトヨタですら、「終身雇用を守っていくのは難しい」と明言しています。また、人員整理をタブー視してきたパナソニックも、「割増退職金上限4,000万円」という本気のリストラを行っています。

こういう時代に雇われる側は、いつでも転職できるスキルや心構えが必要です。コロナ以前にも終身雇用の崩壊は始まっていましたが、コロナ渦が更に拍車をかけ、本来10年後に起こるはずだった問題が、前倒しで現実化しています。

今までは離職率を下げることを目標にしていた企業が、早期退職などを利用して、社員の「流動化」を新たな目標にしています。そういう時代に、キャリアを会社に任せることはもうできません。

自分のキャリアを会社任せにせず、自律的にキャリア形成をしなければならないことに気づいている人は多いと思います。一方、実際に長期的なキャリア計画をしっかりと作っている人がほとんどいないのが実情です。

実際にキャリアプランをちゃんと考え行動している人は少ない事実

上記で実際に長期的なキャリア計画をしっかりと作っている人は、ほとんどいないのが実情とお話しをしました。もう少し詳しく見ていきたいと思います。

2018年に約3000人の社会人対象で行われたリサーチによると、男女ともに60%近くの人が、将来に向けたキャリアプラン特に何も考えていない、もしくは将来を模索中との回答でした人。

しかし一方で、男女ともに60%以上の方がキャリアに対して不安を抱えていると回答しています。つまりは多くの人がキャリアに不安を抱えているにもかかわらず、明確にキャリアプランを考えて行動できていない事実がわかります。

(引用元:「キャリアプランに関する意識調査」)

長期キャリアプランを作るメリット3つ

それで長期的なキャリアプランを作ることによる具体的なメリット3つに関して、お話しをしていきます。

① 将来のビジョンが明確になると必要な目標と行動の設定ができ時間を無駄にしなくてすむ

私たちの人生は日々の多くの決断や行動の積み重ねで創られています。日々多くの選択肢がある中で、とにかく無造作にいろんなことをやっていくと、結局時間の無駄だったということが起こります。

例えば、社内で部下持ち管理職への昇進の打診があったとします。もし自分がこの先、経営管理をしていきたいのか、もしくは専門家としてのキャリアを進んでいきたいのかが決まっていない場合、自分のキャリアゴールから逆算して決断することができません。

断るのも場が悪いので、管理職になったところ、やはり自分は専門家として仕事をすることが好きだと思ってしまった場合、自分と会社両方の時間の無駄になってしまいます。

一方で自分は将来的に経営管理をしたいから、50歳までには何十人の部下をまとめるリーダーになりたいという明確なビジョンがある場合、40歳までにはチームリーダーにならなければいけないという目標が定まります。

そして、その目標を達成するために、今期、今年、何をやらなければいけないと言うアクションも明確になります。

具体的な長期的キャリアプランをつくることで、ビジョンが明確になり、そこに到達するための明確な目標と行動を設定することができます。結果時間を無駄にすることもなくなります。

② 明確なビジョンや計画があるとモチベーションを維持しやすい

「仕事のモチベーションが低くてやる気がでない・・」

と悩んでいる方のお話をよく聞きます。

モチベーションが低いもしくは維持が難しい理由としては、内発的な動機付け (自分自身の内側から湧き上がってくる興味や意欲) がないという理由が考えられます。

人間は報酬などの外から与えられる動機だけでは、継続的に高いモチベーションを持って仕事するのは難しいのです。

しかし、自分の長期的なキャリアプランが明確になっている場合、一時的にモチベーションが下がったとしても、冷静に自分がなぜこれをやるのかを振り返ることができ、再度モチベーションを上げて仕事に取り組むことができます。

人に何かを与えられているからではなく、自発的に目指す姿に向かって行動をしてる場合、簡単にやる気を失ったり、諦めたりはしません。

モチベーションが低いと悩んでいる方は、明確なキャリアプランがないのではないのでないでしょうか?

キャリアプランを明確にすることでビジョンや目標も明確になり、仕事に対するモチベーションが下がることを避けることができます。

③ 具体的な計画をすると現実と向き合うことになるのでやるべきことから目を背けない自分になれる

長期的なキャリアプランを具体的に描いていくと、「果たしてこれは実現が可能なのなのだろうか?」と言う事実に向き合う場面も出てきます。

例えば女性が将来的に子供を持ちたい場合は、年齢ごとにかなり具体的な目標が必要になります。

長期的に自分の人生を考えると言う事はワクワクだけではなく、物事の実現性をしっかり考え、向き合わなければいけないというシビアな側面もあります。

しかし、現実にしっかりと向き合うことで、難しくてもどうしても実現したいことがある場合は、今この瞬間から何をするべきなのかを真剣に考えるようになります。

本当に描くキャリアに到達するためには、少し苦しくても現実に向き合い、やるべきことから目を背けない自分になることができます。

キャリアプランは変化や偶然を取り入れながらアップデートしていけば大丈夫

例え、長期的キャリアプランを作ったとしても、計画自体を変えたりしてはいけないというわけではありません。世の中の変化や自身のライフステージや気持ちの変化に合わせて修正をしていって大丈夫です。

私自身も自分のキャリアプランの細かい部分は、頻繁に修正をしています。新しくやりたいことや目標ができたときには、他の目標との優先順位や難易度を考えながら調整をしています。

キャリアのほとんどは、思いがけない縁など予想してない偶然の出来事によって決定されるという有名なキャリア理論があります(ジョン・D・クランボルツ教授の計画的偶発性理論)。

明確なキャリアプランを持ちながらも、訪れる色々な偶然の出来事や機会を活かしながら、キャリアプランをアップデートしていくことが重要です。

そして何よりも大切なのが、できるだけ多くの機会に巡り合うために、色々なことに柔軟&楽観的に挑戦するマインドセットを持つことです。機会がなければ、その道を選択することもできないのです。

定期的に第三者にもキャリアプランを見てもらうことで現在地の確認ができる

しっかり長期的キャリアプランを作成して、目標設定と行動までをしている方も、定期的に第三者とキャリアプランを共有するとより良いです。

他の人にも見てもらうことで、ちゃんと目的地に向かって進めているか、ゴールまでどの程度離れているかの現在地確認が客観的にできます。

また、多くの人はやりたくないことは先延ばしにしてしてしまうクセがあります。他の人に自分の計画と進捗具合を見てもらうことで、積極的に行動ができてないことに関して、背中を押してもらうきっかけにもなります。

まとめ

長期的キャリアプランはを作成するためには自己理解も時間も必要です。しかし、自分のキャリアプランが明確になることによって、不透明な時代でも想定外のことに上手く対応しながら、目指すキャリアに向かって進んでいくことができます。

長期的キャリアプランを作るメリットは下記3つです。

  1. 将来のビジョンが明確になると必要な目標と行動の設定ができ時間を無駄にしなくてすむ
  2. 明確なビジョンや計画があるとモチベーションを上げやすい
  3. 具体的な計画をすると現実と向き合うことになるので、やるべきことから目を背けない自分になれる

ポイント:

  • キャリアプランは変化や偶然を取り入れながらアップデートしていけば大丈夫(できるだけ多くの機会に自分を晒すことが重要!)
  • 自分の現在地を客観的に確認する為に、定期的に第三者にキャリアプランを見てもらうとより良い。

キャリアプランを明確にして、理想の自分に近づいていきましょう!